建設業許可の取得には６つの要件をクリアする事が必要です。今回はその６つの要件について説明します。

要件①常勤役員等（経営業務の管理責任者）がいること

まずは建設業の経営を適切に行える人が必要です。現場では「経管」と呼ばれています。
法人なら役員のうち1人、個人事業なら本人または支配人が、過去に５年以上建設業の経営に関わった経験があることが求められます。また、法改正により複数の者の経験を基準に「チーム体制」での要件が設定されています。

要件②専任技術者の配置

営業所ごとに、技術的な裏付けを持つ人材を常勤で配置する必要があります。
許可業種に対応する国家資格（例：1級施工管理技士）を持っているか、10年以上の実務経験があることが求められます。（指定学科を卒業している事により必要な経験年数が短縮されることもあります）

要件③請負契約に関しての誠実性

法人である場合は当該法人・役員・政令で定める使用人（支配人、支店長、営業店長等）、個人事業なら本人または政令で定める使用人が過去に重大な法令違反や不正行為がないことが必要です。例としては建築士法や宅建業法などで免許取消処分を受けていないことが条件です。契約や工事の履行において、誠実に対応できるかが問われます。

要件④財産的基礎を有している事

請負契約を履行し安定した経営ができるだけの資金力があることが必要です。
一般建設業では、自己資本500万円以上、またはそれに相当する資金調達能力が必要です。特定建設業ではさらに厳しく、資本金や流動比率などの財務指標が求められます。

要件⑤欠格要件に該当しないこと

欠格要件に該当する以下のような人は許可を受けられません
◇暴力団関係者
◇禁錮以上の刑を受けて5年以内の人
◇破産して復権していない人
◇過去に許可取消処分を受けた人 など

要件⑥適切な社会保険に加入していること

健康保険、厚生年金、雇用保険に適切に加入していることが必要です。これは2020年の改正で追加された要件で、建設業界の健全化を目的としています。

◎これら6つの要件は、どれか１つでも欠けると許可が下りません。特に①常勤役員等（経営業務の管理責任者）がいること②専任技術者の配置が許可取得への大きなハードルとなっており、許可取得後も適切な体制を整えていく必要があります。